黒澤清監督の最新作『旅のおわり世界のはじまり』が12月7日、三亜市で開催中の第2回海南島国際映画祭で上映されました。日本から黒澤清監督が訪れ、上演後に舞台挨拶を行いました。
『旅のおわり世界のはじまり』は、取材のためにウズベキスタンを訪れたテレビ番組のレポーター(主演:前田敦子)が、番組クルーとともにシルクロードを旅する中で成長していくというストーリーです。黒澤監督のこれまでの作品に比べて、一味違うスタイルだということもあり、今まで以上に多くの中国人映画ファンに注目されています。
制作のきっかけについて、黒澤監督は「知り合いのプロデューサーからある日、『ウズベキスタンで映画を撮ってみる気はないか』と話を持ちかけられました。ウズベキスタンは日本でほとんど知られていない国で、私もまったく分からなかったところですが、全然何も知らない国に行って、いろいろ困った事に出会う日本人の物語なら作れるかもしれないとひらめいて作り出した作品です」と話します。
また、この作品の撮影スタイルについては、「すべてのシーンに主人公が出ています。主人公が出ていないところが一切ありません。最初から最後まで繫げていこうという一つのスタイルを決めました」と語りました。
日本映画の大ファンだという来場者の呂さんは、「タイトルから心を打たれて、旅に対する好奇心を駆り立てられました。異国で出会った小さな困難ですが、本当に自分も同じような不安な気持ちになりました。普通の生活の中にある国と国の文化が衝突することを巧みに表わしている。これこそが黒澤監督の腕ではないかと思います」と感想を語りました。(取材:とんとん 写真:高宇)